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目次
映画で育つ“感性”と“対話力”の時間に
映画を親子で観る時間は、ただの娯楽を超えて、心を動かす言葉と対話を育む場になります。
登場人物の言葉に触れ、価値観を問うシーンを一緒に感じて、「あなたならどうする?」と話し合うことで、子どもの思考力や共感力は自然に育っていきます。
今回ご紹介するのは 劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来。
無限城という謎に満ちた空間を舞台に、炭治郎と柱たちが鬼との最終決戦への第一歩を踏み出すこの作品。
親子で堪能した感動と対話ポイントを、レビュー形式でお届けします。
ざっくりあらすじ(ネタバレ控えめに)
『無限城編 第一章 猗窩座再来』は、テレビアニメ「柱稽古編」の続きから物語が始まります。
鬼殺隊本部・産屋敷邸でお館様・産屋敷耀哉が囮作戦を仕掛ける中、無惨により炭治郎や柱たちは突如“無限城”と呼ばれる異空間へと引き込まれてしまいます。
無限城の内部は構造が自在に移動するような仕掛けがあり、複雑で幻想的。
その中で、蟲柱・胡蝶しのぶ vs 上弦の弐・童磨、善逸 vs 獪岳、義勇・炭治郎 vs 猗窩座 という三大戦闘が描かれます。
鬼と鬼殺隊、登場人物たちの想い、過去、選択が交錯しながら、物語は次の展開へとひとつの大きなフックを残して幕を閉じます。
親子で観るポイントと感じたこと
以下は、私たち親子が観ながら感じたシーンや対話ポイントをテーマ別にまとめた感想です。
無限城のヴィジュアルと導入のインパクト
- 映画は、炭治郎や柱たちが無限城の内部へ落ちていくシーンから始まり、古き良き日本建築をモチーフにした構造が3D空間で広がります。
千と千尋のような世界観と、ハリウッドSFっぽさが融合して、とても幻想的。足場が移動したり、構造が変化したりする演出には驚きました。 - この導入から「ここから何が始まるんだろう?」というワクワク感が強く湧きました。
強さと弱さ、そして“使い方”の選択
胡蝶しのぶ vs 童磨:強さ・弱さ・想い
- 小柄な体で戦うしのぶの葛藤が胸に迫る。彼女が「どうして私の体は小柄なのか」と嘆くシーンは、能力が恵まれている人/そうでない人の視点の違いを感じさせます。
- 翌日、習い事のバスケで「背が高いね」と言われた息子に対し、このことを引き合いに出して「恵まれた体格や能力には感謝して、弱い人を守るために使ってね」と話せたのが良い瞬間でした。
- しのぶの最期や覚悟のシーンは、命をかけた想いと“継承”を強く感じました。
善逸 vs 獪岳:葛藤・心の器・承認欲求
- 刀を引きずる音のリアルさに、映画館ならではの臨場感を強く感じました。
- 獪岳には「認められたい」という欲求と、その器に空いた穴の話が出てきます。息子と、「人はなぜ“認められたい”と思うのか」「その穴をどう埋めていくか」を話しました。
- 子どもの頃に満たされなかったものを大人になって物欲で埋めようとする人、親の期待が重くて劣等感を抱える人。そんな身近な例を交えて語り合えたのが、映画を観る面白さだと感じました.
炭治郎・義勇 vs 猗窩座:信念・努力・言葉の力
- ここで、過去作を全部見てきてよかった!と思う場面がたくさん。猗窩座と煉獄さんの因縁を知っていると、その戦いの重みがぐっと増します。
- 炭治郎の言葉:「強いものが弱いものを助ける」「戦うのは誰かじゃなく自分自身」など、戦術を読み解く力と思考力の大切さを感じました。言葉の一つ一つが、親としても我が子に伝えたい価値観です.
- “思考を放棄するな”“弛まぬ努力の先に残るもの”といった言葉がたくさん散りばめられ、観終わったあとも胸に残ります。
鬼の過去、再生力と人間の儚さ
- 鬼たちの過去が描かれることで、「鬼はみな元は人間だった」というテーマが浮かび上がり、感情の揺らぎを感じます。
特に猗窩座の過去には同情を感じざるを得ず、「もし自分が同じ立場だったら…」という話を息子としました。彼は「戦わず別の形で復讐を考える」と答え、暴力以外の方法で解決しようとする大人思考に息子の成長を感じさせてくれました。 - また、鬼の卓越した再生力と比較して、人間のもろさ・儚さについても語り合いました。
例えば自分の親指を切って血が止まらなかった瞬間に「鬼だったらすぐ再生するのにね」と呟き、息子に「不老不死になりたい?」と聞いたところ、「なりたくない」と返ってきたのも面白い対話でした。
こういう“日常と物語の対比”が、親子での映画体験をより豊かにしてくれます。
まとめ:言葉と覚悟が響く、親子で味わいたい映画体験
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は、アクションや絵の迫力以上に、言葉・想い・選択・対話 のチカラを親子に届けてくれる作品でした。
- 無限城のヴィジュアル演出で世界観に没入
- 胡蝶しのぶ・善逸・義勇・炭治郎 などキャラクターたちの葛藤と覚悟
- 鬼の過去を通じて「善悪」「情」の揺らぎを知る
- 日常の出来事とリンクしながら語れる親子対話の種も豊富
上映時間は155分ほど。長い時間ですが、親子でじっくり味わいたい映画です。
再びこの映画を観るときは、「このセリフはあのときのあれだね」と対話が重なる楽しみもあります。
何年後に観返しても色褪せない言葉が、この映画にはたくさん詰まっていると感じました。
映画をより楽しむために
映画館での体験をさらに深めるために、私たちは親子は「予習・復習」を取り入れています。ほんの少し工夫するだけで、映画の世界が何倍も広がるのでおすすめです。
サブスクで予習・復習
Amazon PrimeやNETFFLIXで関連作品をチェックしておくと、過去の回想シーンが出てきたときに「これ、前に見たやつだ!」とリンクして楽しめます。伏線がつながる瞬間の快感を、子どもと一緒に味わえるのが嬉しいポイントです。
音楽で予習・復習
Amazon Musicや楽天ミュージックで主題歌や劇中歌を事前に聴いておくのも効果的。映画の前は気持ちを高めるスイッチに、観たあとはシーンを思い出して余韻に浸れるBGMに。家や車の中で流すだけで、感動と興奮を長く共有できます。
本で予習・復習
原作漫画や小説がある作品は、どう読むかは親子で意見が分かれるところ。先に読んでおく派、あえて映画で初めて触れる派、それぞれに良さがあります。ただし直前に細かく読み込むより、少しうろ覚えくらいで観るほうが新鮮に楽しめることも。逆に「アニメにしかないカットがどう描かれるか」を楽しみにするのも一つの方法です。
本のご紹介
鬼滅の刃は漫画や小説以外にもたくさんの関連本があります。その中でもこれはすごく面白かった!というものを少しご紹介します。
「鬼滅の刃で学ぶはじめての仏教」
お釈迦様があのキャラとかぶってるとか、あのシーンは仏教の教えのこれとそっくりだとか、子どもでもわかりやすく面白く書いてあります。幅広い世代に愛された理由がよくわかるし、鬼滅の刃をより面白く知れて仏教のハードルが下がって、孫がこの話をしたらうちのじいじも喜んでくれそう。息子とはオーディブルで一緒に聞きました。映画後の気持ちが高ぶっているときに読むと鬼滅の刃を深く知れてお勧め。
こうした“ちょっとした準備”があるだけで、映画は観て終わりではなく、その前後も含めた体験になります。
気になる方はぜひチェックしてみてください♪