こんにちは!この度「FP横山さんの“子育てとお金の話”」シリーズを担当するライターのmamiです。
これから、ファイナンシャルプランナーであり子育て診断士でもある横山晋哉さんに、子育て世代が気になる“お金”や“心の在り方”について、毎回テーマを変えてお話を伺っていきます。
今回のテーマは「存在承認」。
「テストで何点だった?」「ちゃんとお手伝いできた?」――
子どもを思うからこそ、つい“結果”や“行動”を見てしまう親は多いはず。
でも、子どもの自己肯定感や生きる力の土台になるのは、「あなたがそこにいるだけで嬉しい」と伝える“存在承認”なのだとか。
子どもにも大人にも欠かせない、この「承認の力」について、横山さんにお話を伺いました。
横山さんプロフィール
娘さんの誕生をきっかけに、心理学と脳科学を学び始める。
「行動パターン分析学」を活用し、「子どもをのばす親になれる講座」や「ライフプラン講座」を全国で開催。
「子育て × お金 × 人生」をテーマに情報発信し、子育て世帯を応援している。
横山さんインタビュー
――今日は、子育てにも仕事にも通じる“承認”について教えていただけるんですよね。
はい。実は人が成長して力を発揮していくために欠かせないのが「承認」なんです。大きく分けると3つの段階があります。「存在承認」「行動承認」「結果承認」です。
――3つあるんですね。違いを教えていただけますか?
- 「存在承認(Being Recognition)」は、その人が“いるだけで価値がある”と伝えること。
- 「行動承認(Doing Recognition)」は、行動自体を認めること。
- 「結果承認(Having Recognition)」は、成果や結果を評価することです。
この中で一番大切な土台となるのが「存在承認」なんですね。
――“いるだけでいいよ”っていうことですね。
そうなんです。たとえば「生まれてきてくれてありがとう」とか「あなたがいてくれるだけで幸せだよ」といった言葉。これは子どもの自己肯定感を育てる大事な栄養になります。脳の発達は10歳までに92%が完成すると言われていて、幼少期に浴びる言葉がその後の自己価値のベースをつくるんですよ。
――なるほど。とはいえ、子どもが大きくなると“行動承認”や“結果承認”ばかりに偏ってしまいそうです…。
はい、どうしても「テストで何点取った」とか「ちゃんとお手伝いできた」とか、行動や成果ばかりを見てしまうんです。もちろんそれも大事なんですが、結局は“存在承認”という土台の上に成り立っているんですよね。
――これは大人にも当てはまることですか?
まさにそうなんです。社会に出ると数字や成果ばかりが評価されますよね。でも、本当に人が力を発揮し続けられるのは、「君がいてくれて助かる」「あなたがいると安心する」といった存在承認を受け取れているからなんです。
――たしかに、家族や職場でそう言われたらすごく心が軽くなりそうです。
ですよね。私自身、娘から「パパがいるだけで安心する」なんて言われたら、もうどこまででも頑張れちゃいます(笑)。
――素敵なお話ですね! 最後に、読者のパパママへ一言お願いします。
はい。成果や表面的な評価だけでなく、心からの承認――特に“存在承認”を伝えてほしいと思います。「君ならできる」「私は信じているよ」そんな言葉を、子どもも大人も心の奥で求めているんです。家庭でも職場でも、誰かが本気で自分の存在を認めてくれるだけで、人は大きく羽ばたけるものです。
だからこそ今の時代に必要なのは、“存在をまるごと承認すること”だと強く感じています。
まとめ
「頑張ったね」「よくできたね」も大事だけれど、もっと根っこにある「あなたがいてくれるだけでうれしい」という気持ちこそが、子どもの安心と自信の源になります。
そしてそれは、子どもだけでなく、大人にも同じ。
家族でも職場でも、まずは一番身近な人に「あなたがいてくれてよかった」と伝えてみませんか?
その一言が、誰かの明日を生きる力になるかもしれません。