無痛分娩レポート|1人目のトラウマを乗り越えて、安心して迎えた2人目の出産

無痛分娩レポート|1人目のトラウマを乗り越えて、安心して迎えた2人目の出産|Teamママの子育て情報シェアサイト
  1. こんにちは。1歳と8歳の年の差育児に奮闘するママ・Ayaです。

1人目の出産で経験した「突然の早産」と「強烈な痛み」。
そのトラウマを抱えながら迎えた2人目の妊娠では、無痛分娩を選びました。
怖さ、不安、そして安心して出産を迎えられた感動まで——。
実際の入院スケジュールや痛みの変化を詳しくレポートします。
この体験談が「怖い」「不安」と感じている妊婦さんへ、参考になれば嬉しいです。

はじめに:1人目の出産トラウマと、2人目への不安

1人目の出産は、心の準備も体の準備もできていないまま35週で突然の早産でした。
陣痛が始まってからはあっという間で、救急車で別の病院に運ばれ、気づけば出産。
何が起きているのか理解する余裕もなく、ただただ「痛み」と「恐怖」に飲み込まれた時間でした。
退院後、一人家に着いたとき涙が止まらなくなったのをよく覚えています。

その体験がトラウマとして残り、2人目の妊娠がわかったときは喜びよりも“前よりも早く産まれてしまうのでは…”という不安の方が大きかったです。
「いつ、どんなタイミングで計画が崩れるかわからない」
そんな恐怖とともに過ごした妊娠期間でした。

妊娠中につらかったこと ― 体も心もイライラの連続

妊娠中は早産のリスクがあり、安静を求められました。
動けないことで、家のことを夫や上の子にお願いする機会が増えたのですが、思うように進まずイライラ。
「自分でやったほうが早いのに、できない」
そんなもどかしさが積み重なっていきました。

さらに妊娠糖尿病のリスクも指摘され、1日塩分6.5g以内の制限食。
甘いものも、しょっぱいものも制限され、ストレスは限界。
食べると足がパンパンにむくみ、鏡に映る自分がどんどん“おばさん化”していくようで、オシャレもできずまた落ち込む。

すべてが「イライラ」の連鎖でした。
寝ても覚めても不機嫌で、家族に優しくされても素直に笑顔で「ありがとう」が言えない自分。
そんな自分に嫌気がさして、「ごめんね」と泣く夜もありました。

無痛分娩を選んだ理由

1人目の出産で感じた“想像を超える痛み”が忘れられず、次は少しでも穏やかに、落ち着いて出産を迎えたいと思いました。
また、1人目は早産だったためNICUに1週間入っていたこともあり、NICUのある大きな病院というのもポイントでした。

痛みを減らせるならそうしたい。子どもを安らかな気持ちで迎えたい——。
そう考えて選んだのが「無痛分娩」です。

大きな病院での分娩だったため、事前に麻酔科医から丁寧な説明がありました。無痛分娩レポート|持っていってよかったもの|出産スケジュール 無痛分娩レポート|無痛分娩を選んだ理由|無痛分娩説明書
痛みのレベルを数字で伝えながら麻酔を調整すること、冷たいもので感覚を確かめる“コールドテスト”の方法など、すべてがとてもわかりやすく、安心して臨むことができました。

入院1〜3日目レポート

入院1日目(出産前日)

朝8時半に入院。
大きな病院の中を荷物を持って行き来するのは大変でしたが、夫が荷物を運んでくれて助かりました。平日だからと強がって一人で行かなくてよかったです。
早産経験者としてはこの日を迎えられたことに安堵し「やっとこの日が来た…!」と何度も心の中でつぶやきました。
この日はいわば「準備日」。モニター検査や麻酔説明を受け、病室で静かに過ごします。
説明が丁寧で、医師や助産師さんが代わる代わるやってきて、一つ一つ不安を解消してくれるのが印象的でした。大きい病院はマニュアルや体制がしっかりしていて安心です。無痛分娩レポート|入院1日目|病室

入院2日目(出産当日)

朝5時、分娩室で心音モニターを開始。
陣痛促進剤を飲みながら少しずつ陣痛を起こしていきます。同時に抗生剤も点滴します。
陣痛促進剤(錠剤)はプロスタグランジン5mgで子宮口をやわらかくするそうです。
抗生剤はGBS(B群溶連菌)の産道感染を防ぐために投与します。

7時頃にはハリが強くなり、子宮口3cm。
この時点ではまだ麻酔を入れていないため、痛みのレベルは「3」ほど。
前駆陣痛から本陣痛に移行するあたりが、一番つらかった時間です。

9時15分、いよいよ麻酔の処置。
局所麻酔の“チクッ”とした痛みは、点滴よりも軽いくらい。
背中にチューブを通すと、腰のあたりがヒヤッと冷たいものが通っていく感覚がありました。その後、コールドテストで感覚を確認しながら麻酔量を微調整。
助産師さんにMAXの痛みが10なら今はどのくらいか聞かれるので、痛みを数字で答えます。

10時半ごろには陣痛の痛みが「0.5」まで軽減、最終的には「0」に。
これからどんどん痛くなっていく痛みが、逆になくなっていくのです。
「痛くない」というより、“痛みの波が音量ゼロになったような不思議な静けさ”。
その間にも体は確実にお産の準備を進めていて、冷静にその変化を観察できることに驚きました。

13時過ぎ、いきみ3回目のタイミングで助産師さんが「頭、触ってみますか?」と声をかけてくれました。
ヌルッと柔らかく温かい感触が指先に伝わり、「え、もうこんなに出てたん!?」と驚愕。
見えないし痛くないからどれくらい力入れたらいいかわからないので、「これくらいか…?」と探り探り深呼吸して吸ったときに息を止めて力を入れました。
痛みはまったくなく、深呼吸をしながら合計4回いきみ、13時26分、無事に誕生しました。

嬉しいことに、ここの病院では出産中~出産直後にスタッフさんがたくさん写真も動画も撮ってくれました。家族立ち合いなしの場合は貴重な記録が残って助かるなと思います。
産後すぐに夫とビデオ通話で報告し、安堵と感動で涙が止まりませんでした。
「痛みのない出産」が、こんなにも穏やかで、こんなにも冷静に“我が子の誕生”を迎えられるとは思いませんでした。
普通分娩を経験しているからこそ、無痛分娩の良さが身に沁みます。

以下は詳しい時系列ですが、細かくメモする余裕があることがおわかりいただけると思います。
出産中以外は分娩台の上でスマホにひたすらメモしていました。

5:00 起床、分娩室にて心音モニター
6:00 陣痛促進剤服用、抗生剤投与
6:30 前駆陣痛が10→6分置きに増える
2錠目飲むか医師と相談
7:00 陣痛促進剤2錠目服用
7:10 ハリが強いときにトイレ
赤ちゃんの心拍数が130〜140→90代へ下がる
体勢を左右に変える→戻る
7:20 内診:子宮口3cm→出血
8:00 陣痛促進剤3錠目服用はなしでokと判断
ブドウ糖注射液(エネルギー補給)を点滴
9:00 ヴィーンD輸液(エネルギー補給)・陣痛促進剤(陣痛を起こす)を点滴
9:15 局所麻酔、無痛麻酔用カテーテル挿入、何度か入れ直す
9:30 麻酔3ml注入、陣痛痛み3
10:10 麻酔5ml注入、陣痛痛み2
コールドテスト…お腹〜足付け根:冷たい、もも裏〜膝下:冷たくない
10:30 コールドテスト…お腹左:冷たい、お腹右:冷たくない、付け根・もも裏〜膝下:冷たくない
陣痛促進剤(オキシトシン)追加投与
麻酔4ml注入、陣痛痛み0.5
10:55 コールドテスト…お腹:冷たい、付け根もも裏〜膝下:冷たくない
カテーテルの位置を変える
陣痛痛み0
11:05 陣痛促進剤(オキシトシン)追加投与
11:25 破膜、子宮口4cm
11:35 赤ちゃんが前を向いてるので四つん這いになり向きが変わるのを待つ
12:15 横向きに寝る体制に変更
コールドテスト…お腹上部・左:冷たい
肛門を圧迫されている感覚あり
12:20 内診:子宮口5cm、まだ向き直らず再び四つん這い
13:00 内診:子宮口8cm、いきんだらこのままいけそう
13:10 陣痛に合わせて4回いきむ
強い張りのときに肛門に圧迫感
3回目で頭触らせてもらう
13:26 誕生
14:00 家族とビデオ通話
15:00 初乳
15:30 母子分離、睡眠
18:30 夜ご飯
起きたら足が痺れておらずむくみスッキリ。膣周りはボンヤリとした違和感あるが痛みはない
19:30 傷口確認、血圧・心拍問題なし→歩行ok
トイレ500ml出てビックリ、出血はあるが痛みなし
無痛分娩レポート|入院1日目|心音・陣痛測定器

入院3日目

翌朝、チューブを抜くときは少し痛みがありましたが、一瞬で終了。
足のしびれもなく、むくみもスッキリ。
膣まわりに軽い違和感はあるものの、痛みはゼロ。
1人目のときは立つのもつらかった産後当日とはまるで違い、体の回復の早さに驚きました。無痛分娩レポート|入院3日目|背中のカテーテル・足のむくみ

無痛分娩を終えて感じたこと

麻酔が効くまでの前駆陣痛〜本陣痛までは確かに痛みがありましたが、
麻酔が効いてからは、陣痛・内診・導尿・産後の処置、すべてが「痛くない」出産でした。

1人目のときに感じた「押される痛み」や「グリグリの刺激」もなく、
何より精神的なダメージが圧倒的に少なかったです。

一人目のときは緊急搬送先の総合病院で、病院食も質素なものでした…
それも精神を追いやった原因の一つだったかも、と今回は豪華な病院食を食べながらしみじみ思いました。

無痛分娩は、痛みを減らすだけでなく、“心を守る選択肢”でもあるのだと感じました。
出産後の回復スピードも早く、気持ちにも余裕が生まれ、家族との時間を穏やかに過ごせています。

持っていってよかったアイテム

  • スマホ充電池

分娩台の上は暇で時間も長く、出産直後など大事な撮影タイミングで電池がなくならなくてよかったです。

  • サーモスマグボトル

水分補給がスムーズ。保温・保冷が効いてペットボトルより使えます。

  • 電動搾乳器

産後すぐ母乳が出たので大活躍。手搾りより圧倒的に楽。テーブルに置きながら手放し搾乳できます。

  • 健康食品系お菓子

制限食でも“ちょっとつまめる”安心感。おやつや夜食に多めに持っていくと安心です。無痛分娩レポート|持っていってよかったもの|健康食品系お菓子

  • ピュアーレン

乳頭のひりひりや切れの保護・保湿に。そのまま授乳もできる優れもの。

  • 着圧ソックス

動けない産後も、むくむときがあるので持っていくと心強いです。

無痛分娩にかかった費用

私が出産したのは、NICU(新生児集中治療室)のある総合病院
入院期間は5泊6日で、個室を利用しました。
下記が実際にかかった費用の内訳です。

項目

金額

入院料

50万円

分娩料

38万円

新生児管理保育料

8万円

産科医療補償制度

1万円

検査・薬剤料

5万円

処置・手当料

5万円

その他

3万円

小計

110万円

出産手当金

▲50万円

合計自己負担額

約60万円

ホテルのようにきれいで静かな個室で、
大きなテレビモニターや充実したアメニティも完備。
タオルや着替えも毎日交換してもらえ、食事も1日3食+夜食つきの豪華メニュー
スタッフの方もとても優しく、安心して過ごせる環境でした。

正直なところ金額は高めですが、
「この快適さと安心感なら納得」と感じられる内容でした。

なお、支払金額が大きい場合は翌年の医療費控除の対象になります。
確定申告で申請すれば税金が戻ってくるので、忘れずに手続きしておくのがおすすめです。無痛分娩レポート|これから出産を控えるママへのメッセージ|おいしい病院食

これから出産を控えるママへのメッセージ

無痛分娩を選んで本当によかったと思っています。
ただし、「痛みゼロ」よりも「安心して出産に臨める心の余裕」こそが最大のメリットだと感じました。

また、大きな病院ではいろんなスタッフが出入りし、直前に予定が変わることも。
もし可能なら、スケジュールを可視化できる仕組み(タブレットやアプリなど)があれば、もっと安心して過ごせると感じました。

出産はひとつとして同じ形がありません。
でも、選択肢を知ることで「自分に合った出産」を選ぶことはできます。

あの日、穏やかに我が子を迎えられたこと。
それは私にとって、“痛くない出産”ではなく、“心が満たされる出産”でした。 

これから出産を迎える方の参考になると嬉しいです。
記念すべきスタートの日を安心して迎えられますように^ ^

ABOUTこの記事をかいた人

Aya

家事育児の両立を目指してフリーランスとして働きながら、二児の育児に奮闘中のママです。コロナ化で都会が息苦しくなり、夫がリモートワークになったことをきっかけに東京から関東の都心寄りの郊外に引越しました。ファッションと音楽とゲーム大好きなこだわり強めな夫と、歳の差育児について発信できたらと思います!